「アトピーで肌が痒くて常に掻いてしまう」「しっかりと薬を塗っているのになかなか治らず長期化してしまっている」という方は必ず下記のチェックリストを確認してください。
- イライラすると、つい甘いものが食べたくなる
- 甘いものを食べると気分が落ち着く
- スナック菓子や甘い清涼飲料水をほぼ毎日摂る
- スーパーやコンビニに行くと、ついお菓子を買ってしまう
- 食後には必ず甘いものを食べる
この中で1つでも当てはまる人は要注意です。知らない間に砂糖中毒になっている可能性があります。
砂糖はアトピーの症状を治りにくくしてしまいます。さらに砂糖には中毒性があり、甘いものを食べる習慣がつくとなかなかやめられない性質があります。
そのため、アトピーの人で甘い物を摂ることがクセになってしまっている場合は、症状が重かったり、いつまでも治らず長期化してしまったりすることが多いのです。
このページでは砂糖の依存性と、甘い物への欲求をコントロールする方法について説明します。
目次|このページでわかること
砂糖には中毒性がある
上記のチェックリストを確認してみて、1つでも当てはまる方は注意が必要です。砂糖中毒の可能性があります。砂糖には、まるで酒やタバコのような中毒性があるのです。
詳しく説明していきます。
中毒やクセになる行動と関係する要因として、脳の「報酬回路」というものがあります。報酬回路とは私たちが何らかの形で快楽を感じた際に、その快楽と原因となったものを紐付けする脳の回路のことです。わかりやすくいうと「○○をすればこんなご褒美(快楽)がある」と覚えさせる仕組みです。
ここに、強い快楽の信号を流し続けてしまうと、やがて回路が麻痺して常に強い信号を流していないと満足できないと感じるようになります。これが「中毒」になる原因です。
私たちが甘いものを摂取した時に感じる「美味しい」という感覚は、舌の神経を通じて脳内を刺激し、やる気や元気を感じさせる物質である「ドーパミン」と、不安やストレスを麻痺させる働きのある物質である「エンドルフィン」を分泌させます。
やる気が出ることも、不安を麻痺させることも脳にとっては同じ快楽になります。これらが分泌されると、やる気が出て仕事や勉強の効率が良くなったり、不安を麻痺させて気分を落ち着かせることができたりと、良い効果をもたらします。
しかし、この刺激が強かったり、頻繁に刺激を感じたりしていると、徐々に感覚が麻痺していき、より強い刺激を欲したり、常に気分を高揚させていないと満足できなくなったりして常習性(クセになること)が高くなります。これが砂糖に中毒性があるということです。
また、「精製」された白い砂糖ほどこの中毒性は高くなります。精製とは、製品に含まれる余分なものを取り除き、純度の高いものをつくり上げることです。
白砂糖は、その見た目の美しさや、使いやすさのために、生産過程で原料に含まれているビタミンやミネラルなどの栄養素を、不純物として全て取り除いて作られています。そのため白砂糖は糖質が99%以上の純度の高いものになります。
こういった純度の高いものは脳に効率よく届き、報酬回路に強い刺激を与えるので、中毒性が高いのです。
麻薬として知られている「コカイン」も原料である「コカ」そのものは、昔からお茶として飲まれたり、高山病の対処法として利用されたりしており、中毒性はありませんでした。しかし、精製して純度を高めることによって中毒性が高まって麻薬になるのです。
このように、砂糖には中毒性があります。そして砂糖にはアトピーを悪化させたり、治りにくくしたりする働きがあります。つまり、砂糖はアトピーの慢性化(治りにくく、経過が長引くこと)の原因になるのです。
甘いものへの欲求をコントロールする3つの方法
ここまで、砂糖には中毒性があり、気をつけないとアトピーを慢性化させてしまう原因になると説明してきました。甘いものを食べることが習慣になっている場合、やはり糖分の制限は難しいことだと思います。
私も甘いものが大好きで、以前はコンビニやスーパーに行くと、「まあ、良いか」「明日から頑張ろう」と、ついついスイーツを買って食べていました。
しかし、少しでも早くアトピーを治したいと考えるなら甘いものを制限するべきです。そのためには、なんとかして甘いものへの誘惑を断ち切らなければなりません。
そのための方法を説明していきます。
まずは10分我慢
「どうしても甘いものが我慢できない」という場合は、まず10分間で良いので、その間意思の力を総動員して我慢してみてください。甘いものが欲しくなるという欲求は血糖値が下がることによって高まります。
しかし、人間の体には血糖値を一定に保つ仕組みが備わっています。そのため、下がった血糖値は必ず反動で上昇してくるので、一番強い衝動はそれほど長続きしません。
他にも、強めの運動をすると血糖値が上がり、甘いものへの欲求が薄まってきます。また、普段は感じないような刺激を与えるようにしてみるのも良いかもしれません。要は「気を逸らす」ということです。
例えば、頻繁に行うことはおすすめできませんが、冷たい水を一気に飲み干してみることや、熱めの足湯に浸かってみるなど、平常時には感じていない少し「シャキッと」するような刺激を与えると、甘いものへの欲求から気を逸らすことができます。
代替甘味料に逃げない
「砂糖以外の甘い物なら大丈夫なのでは?」と考える人は多いですが、基本的にはダメです。
キシリトールやアスパルテームなどに代表される人工甘味料は、確かに血糖値を上げることは無いのですが、砂糖を使用したものを食べた時のような満足感が得られないことがあります。
例えばキシリトールガムを噛んだ時など、確かに甘く感じるのですが「なんか違う」という感覚が残ります。そのため、どこかに不満が残ってしまい、その反動で返って欲求が強くなる場合があるのです。
間食を甘い菓子類から食事系のものに変えてみる
さらに、それでも我慢が難しいというのであれば、まずは間食を甘いものから、せんべいや、おにぎりなど、食事系のものに置き換えてみましょう。
これらの原料であるお米も炭水化物であり体内で分解されてブドウ糖になります。しかし、炭水化物は「多糖類」というブドウ糖の分子が複数繋がった物質なので、分解されるまでに時間がかかり、砂糖を食べた時より緩やかに血糖値を上昇させます。
これを続けていると、そのうちに甘いものへの欲求が弱くなってくるので、そうしたら、この食事系の間食も控えるというように、段階を踏んで砂糖断ちをしていきましょう。
砂糖の摂りすぎはアトピーの回復を妨げる大きな障害になります。しかし、裏を返すと砂糖を控えることで、アトピー克服の道のりは圧倒的に楽になるということです。
是非、今日から砂糖を控えるために行動を起こしてください。
さらに、下記ページでは「そもそも何故砂糖がアトピーを悪化させるのか」について詳しく説明しています。合わせて読んで、アトピーと砂糖との関係について理解を深めてください。