「ルイボスティー」というお茶をご存知でしょうか。
ルイボスティーは南アフリカ原産のお茶の一種で、アトピーやアレルギー疾患の改善に効果があるということを聞いたことがある方も多いと思います。
世の中にはアトピーやアレルギーに効果のあるとされるお茶が多く存在します。このようなものの話を聞いた時に一番に頭に浮かぶのは「で?何がどう効果があるの?」という言葉でしょう。
もちろん、このお茶を飲んだからといって、それだけでアトピー完治とはいかないかもしれませんが、ルイボスティーにはつらいアトピーの炎症や乾燥などの改善にとても助けになる飲み物であると言えます。
このページでは、ルイボスティーのアトピーへの効能について詳しく説明していきます。
目次|このページでわかること
ルイボスティーの効能
冒頭で述べているように、ルイボスティーにはアトピーやアレルギー疾患の改善にとても役立つ効能があります。
中には、ルイボスティーを飲み始めたことで、それまで悩まされていたグチュグチュの炎症が軽くなったという方も実際にいらっしゃいます。
では、なぜルイボスティーはこのようにアトピーの改善に効果があるのでしょう。それは、主に下記の2つの効能によるものです。
【ルイボスティーの効能】
- 抗酸化作用のある成分を豊富に含み、体内の活性酸素を除去する
- アレルギー反応の元である「ヒスタミン」の産生を抑えてくれる
詳しく説明していきましょう。
炎症を悪化させる「活性酸素」を取り除く
ルイボスティーの効能として、もっとも特徴的なのが、その強力な抗酸化作用です。抗酸化作用とは、体内アトピーを悪化させる原因となる「活性酸素」を取り除く作用のことです。
ルイボスティーには「フラボノイド」と呼ばれるポリフェノールの1種がとても豊富に含まれています。このフラボノイドには強力な抗酸化作用があり、後述するアトピーの悪化原因である「活性酸素」や「過酸化脂質」を強力に取り除いてくれるのです。
フラボノイドなどのように活性酸素を取り除くような働きを持つ物質を、「SOD様作用物質」と呼びます。(SODとは人間がもともと持っている活性酸素を除去する酵素のことです)
このSOD作用物質を独自に加工した食品を用いて、アトピー治療に大きな成果を上げている土佐清水病院の丹羽靱負医師は著書で、SODについて著書で下記の様に書いておられます。
私の病院には重症患者さんが多数入院、通院していますが、ほぼ七~十四日の入院で、ほとんどの患者さん軽快し退院されています。
治療法としては(中略)加工処理を行った含有低分子抗酸化剤を活性化させたSOD様作用物質を内服していただきます。さらにアレルギー反応そのものを抑えるフラボノイドという物質が大量に含有されている、ルイボスティーという南アフリカ産のお茶の有効成分、フラボノイドを抽出活性化させたエキス剤を内服併用してもらいます。
SOD様作用物質はアトピー性皮膚炎の原因となる過酸化脂質を除去し、ルイボスティーはアレルギーを改善させます。
引用:KKベストセラーズ:丹羽靱負 著:根本から治す奇跡のアトピー治療
このように、ルイボスティーに含まれるSOD様作用物質は、実際にアトピー治療の現場でも使用されており、また実際に効果を出している成分です。
ルイボスティーにはSOD作用物質であるフラボノイドが大量に含まれています。これを飲むことで、アトピーの悪化原因となっている「活性酸素」を取り除くことができ、アトピーの炎症やかゆみを緩和してくれるのです。
ルイボスティーにはアトピーの原因となっている「活性酸素」を除去する成分が豊富に含まれている。
アレルギー反応の抑制
ルイボスティーの作用としてもう一つ、アレルギー反応の抑制というものがあります。
アレルギー反応は、体内に侵入してきた異物に対して、免疫細胞が反応することによって起こる現象です。
異物に反応した免疫細胞は、それを除去しようとして、「ヒスタミン」という化学物質を放出します。これによって、異物だけでなく自分自身の組織も刺激を受けてしまうのです。例えば、この反応が鼻の粘膜で起これば花粉症のようにくしゃみが止まらなくなったり、目の粘膜で起これば目が痒くなって赤く充血します。
そして、皮膚組織でこの反応が起こると、アトピーのような皮膚の炎症として現れるのです。
ルイボスティーには、この免疫細胞に作用して、ヒスタミンの分泌を抑えてくれる働きがあります。これがアレルギーを抑える作用として働くのです。
先述した丹羽靱負医師は実験で以下のような結果を記しています。
細胞膜を刺激してヒスタミンを産生している状態の免疫細胞が入った試験管に、ルイボスティーを入れたところ、その量に比例してヒスタミンの産生量が減少していったとのことです。
【ルイボスティーのアレルギー疾患に対する臨床効果】
症例数 | 有効 | やや有効 | 無効 | 判定保留 | 作用発現に要する平均日数 | 有効率 | |
慢性蕁麻疹 | 21 | 10 | 5 | 6 | 0 | 5.5日 | 71% |
気管支喘息 | 15 | 5 | 4 | 5 | 1 | 18.6日 | 64% |
アレルギー性鼻炎 | 8 | 2 | 2 | 3 | 1 | 14.5日 | 57% |
引用:http://www.sod-jp.com/page1/ruibosu1.htm
このことからも、ルイボスティーにはアレルギー反応を抑える作用があることがわかります。
ルイボスティーにはアレルギー反応の原因となる「ヒスタミン」の分泌を抑制する効果がある。
このように、ルイボスティーには、アトピーの悪化原因である活性酸素の除去と、アレルギー反応の抑制という2つの作用があります。これらの相乗効果によってアトピーの改善を助けてくれるのです。
アトピーを悪化させる活性酸素
さて、ここまでルイボスティーのアトピーへの効能について述べてきました。
ここからは、上記の説明中に登場した、アトピーの大きな悪化原因のひとつである「活性酸素」について詳しく説明していきます。
活性酸素がアトピーを悪化させてしまう働きとして、主に下記の3つがあります。
【活性酸素がアトピーにもたらす影響】
- 肌の細胞を傷つける
- 過酸化脂質を作る
- 肌の保湿機能を壊す
肌の細胞を傷つける
ここまでで何度も出てきた「活性酸素」とは酸素の仲間ですが、他の物質と結合しやすく非常に刺激が強い性質を持った物質です。これが皮膚の細胞を傷つけてしまい皮膚の炎症を起こす元になってしまいます。
ただ、この活性酸素自体が体内にあることは問題ではありません。むしろ、活性酸素は人間にとって必要な物質であるとも言えます。
例えば、免疫機能での役割です。私たちの体内に細菌やウイルスが侵入してくると「白血球」などの食細胞と呼ばれる細胞がそれらを食べることでそれらの異物を無害化します。その際に、食細胞の中に取り込んだ異物の消化するのに必要な物質が「活性酸素」なのです。
食細胞が満腹の状態では、次に異物が侵入してきても対処することができません。そのため細胞内で活性酸素を発生させて、食べた異物を消化・分解するのです。
活性酸素は体外の異物から体を守る役割を持った食細胞にとっての「胃液」であると言えます。
このように、活性酸素が体内で発生すること自体は悪いことではありません。しかし、これが体内で多量に作られてしまうと、その刺激の強さから、異物だけでなく皮膚の細胞などまで傷つけてしまいます。これによってアトピーの炎症を悪化させてしまうことになるのです。
活性酸素には皮膚の細胞を傷つけてしまう作用があり、それによってアトピーの炎症が悪化してしまう。
過酸化脂質を作ってしまう
ここまで「活性酸素」が肌に及ぼす影響について説明してきましたが、活性酸素にはもうひとつ、厄介な作用があります。
それが、体内の脂質と結合して「過酸化脂質」という物質を作り出してしまうということです。過酸化脂質とは脂質と活性酸素が結びついた物質で、これもまた、活性酸素と同様にアトピーの肌において悪影響となるものです。
活性酸素の肌への刺激は、とても強力なものですが、その作用時間は比較的短く、作用範囲も細胞の表面のみであるという特徴があります。しかし、この過酸化脂質は活性酸素に比べて刺激は弱いのですが、長く体内に止まることで作用時間が長く、作用範囲も細胞の内側まで及んでしまうのです。そのため、アトピーの肌への影響はより深刻と言えるかもしれません。
そのため、活性酸素は当然アトピーにとって有害なのですが、活性酸素そのものよりも、活性酸素と脂質が結びついてできる「過酸化脂質」の方は、さらにアトピーへの悪影響を及ぼしてしまうのです。
活性酸素は脂質と結びつくことで、より長い時間悪影響を及ぼす「過酸化脂質」を作り出してしまう。
過酸化脂質は肌の保湿機能を壊す
さて、活性酸素と並んでアトピーを悪化させる物質として、過酸化脂質の説明をしてきました。
この過酸化脂質には皮膚細胞にダメージを与えるだけでなく、もうひとつ、アトピーの方にとって有害な作用があります。それが、「皮膚の保湿機能」を壊すということです。アトピーではただでさえ乾燥肌でつらいのにこの働きは見逃せません。
私たちの皮膚は「角層」というとても薄く、しかしとても頑丈なタンパク質の膜が何層にも重なって覆われています。これによって、皮膚から体内の水分が蒸発するのを防ぎ、また、体の外から侵入してくる異物や細菌を弾く役割を持っているのです。
皮膚で脂質と活性酸素が交わって過酸化脂質が作られるときに、「アルデヒド基」という、タンパク質を傷つける毒素を作り出します。これによって、保湿の役割を持っている「角層」が破壊され皮膚から水分が逃げ出しやすくなってしまうのです。
アトピーの方はもともと肌の保湿効果が弱いということがあります。その上、過酸化脂質によって皮膚を壊されてしまってはたまったものではありません。
過酸化脂質は細胞に炎症の原因となるだけでなく、「角層」を破壊し保湿機能を奪ってしまう。
ルイボスティーの飲み方・適量
ここまで、アトピーに悪影響を与える活性酸素を取り除くルイボスティーの作用について説明してきました。
しかし、このような素晴らしい効果をもつお茶ですが、飲み方を間違えてしまうと効果を十分に得ることができなくなってしまいます。そこで、ここでは効果的なルイボスティーの飲み方について説明していきましょう。
ルイボスティーはしっかり熱を加えないと、活性酸素を取り除く効果が十分に現れないという性質があります。
そのため、ルイボスティーを淹れる際は、20~30分ほど煮出す必要があります。
この時に土瓶を使用するとさらに効果的です。土瓶で熱することは遠赤外線と同じ効果があるとされています。遠赤外線にはルイボスティーに含まれるフラボノイドのようなSOD様作用物質の働きを活性化してくれるのです。
また、量については1日にカップで2~3杯を飲むと良いとされています。そのため、毎食に合わせて飲む習慣を作ると続けやすいでしょう。
さらに、タイミングに気を使うことで、相乗効果を得ることができます。例えば、ルイボスティーには、快適な睡眠を助ける作用がありますので、睡眠時間に合わせて飲めば眠りやすくなりますし。また、脂肪の吸収を抑える働きもあるため、食事の30分程度前に飲むことで脂肪を吸収しにくくなります。
睡眠も脂肪の吸収もアトピーの改善に関係がある要素です。ぜひ試してみてください。
ルイボスティーはお風呂に入れてもいい
さて、煮出し終わったルイボスティーの葉っぱですが、そのまま捨てるのはもったいないです。
ルイボスティーは直接肌につけても効果があります。そこで、飲み終わったお茶っぱをお風呂に入れて浸かることで皮膚の炎症を鎮めて、乾燥肌を和らげることができます。
お茶の葉から煮出したのであれば、目の細かいネットにそのまま入れ、パックであれば2〜3個をネットに入れて湯船に入れると良いでしょう。また、入浴中によくお茶の葉を揉むと、有効成分がお湯に浸み出しやすくなります。お茶の葉を入れたネットを優しく患部に押し当てても良いでしょう。有効成分を肌へ染み込ませるイメージです。
このようにしてルイボスティー風呂にして浸かることで、肌がとても潤います。
まとめ
アトピーの悪化原因として「活性酸素」や、それによって作られる「過酸化脂質」という物質があります。これらには、アトピーの炎症の元になったり、肌の保湿作用を奪う働きがあります。
ただでさえ、アトピーの方は、かゆみや皮膚の乾燥に悩まされています。その上、体内にこのような物質が発生していてはたまったものではありません。そのため、このような悪化原因は神経質に取り除いて行くことが大切です。
ルイボスティーにはこのような有害物質を取り除く成分が特に多く含まれています。ルイボスティーを生活の習慣に取り入れることで、アトピーの改善にとても役にたつでしょう。
値段も特別高くないため継続もしやすいです。ぜひ試してみてください。