このようなことはありませんか?
- 「朝起きると汁で枕にくっついてしまってバリバリ剥がすのが痛い、、」
- 「空気に触れるのすら痛くて、気持ち悪くて耐えられない、、」
- 「引っ掻くと血だけじゃなくて汁がでる、、」
私は過去に重症のアトピーを経験していますが、 「顔にでるアトピーが一番辛い」です。特にジュクジュクした汁が出るような炎症が顔に出ると、日常生活にも支障をきたします。
このページでは、そのような顔に出るジュクジュクアトピーを改善させる方法について説明していきます。
目次|このページでわかること
顔からジュクジュクの液体が、、、何が起きているの?
アトピーで悩む方はほとんどの方が経験していると思いますが、引っ掻いた傷や、腫れた皮膚、水ぶくれのような湿疹を潰した時に血とは別に黄色っぽい汁が出ることがあるでしょう。
放って置くと服やシーツに張り付いて固まことで、剥がす時に痛い思いをしたり、そのまま乾燥してガビガビのかさぶたになったりして生活に支障をきたすことになります。
このような時、「体が毒出しをしているんだ」「ばい菌が感染してしまった」と考えて、むやみに消毒をしてしまったり、汁を出し切ろうとして必要以上に汁をぬぐいとってしまったりする方がいます。しかし、このような考えは間違いであり、返って症状を長引かせてしまったり、悪化させてしまったりする事になります。
顔のジュクジュクしたアトピーを早く治すには、なぜこのような症状が起きているのかをしっかりと理解し、対処しなくてはいけません。
ジュクジュクした汁が出るようなアトピーの症状は、皮膚の内側で重い炎症が起きた場合や、ひっかいて肌を傷つけすぎてしまった場合などに起こります。
この黄色味がかった液体は、「リンパ液」「浸出液」などと呼ばれて、普段は血液と共に血管を流れています。そして、体内の栄養や免疫細胞などを運んだり、体内を巡って老廃物を回収したりという役割を担っている液体です。
皮膚で炎症が起きたり、引っ掻いて傷ができたりすると、血管の壁面の細胞の隙間が開きます。そして、血液中を流れる免疫細胞がその隙間から皮膚組織に移動して、侵入してきた異物など炎症の元になっている物質に対処しようとします。
この時にできる血管の隙間から浸出液が漏れ出すため、引っかき傷や、腫れた皮膚からぐちゅぐちゅの液体が出てくるのです。このリンパ液が皮膚の下に溜まって水ぶくれのようになることもあります。
つまり、皮膚からジュクジュクした黄色っぽい液体が出るということは、炎症が悪化していることを意味します。
ちなみにこの液体は、皮膚を保護して皮膚の再生を促す役割を持った、良質なタンパク質でもあり、実は体にとって悪いものではありません。
ジュクジュクの液体=毒出しは間違い
よく、「皮膚からジュクジュクの液体が出るのは体内の毒素を出している状態だから、出なくなるまで出し切ろう」「出し切ればアトピーは治る」という方がいます。
しかし、この考えは大きな間違いです。
この「黄色い浸出液=毒出し」という考えを持っている方は結構多いです。
確かに、見た目のイメージもジュクジュクと毒々しくなりますし、症状が良くなるにつれて汁の量も少なくなっていくため、そのように考えるのもわかります。実際に私もそう考えていました。
すでに説明したように、この浸出液は皮膚を保護して再生を促す役割を持っています。体から出ている毒素だと勘違いして、この液体を耐えず拭ってしまっていると、いつまでも皮膚がよくなりません。
ただ、「炎症=毒出し」という考え方は出来ます。体内で白血球が異物や老廃物など、いわゆる毒素と呼ばれるものを消化して排除する際に、その力が毒素に追いつかない場合炎症を起こす物質を作ってしまうからです。
アトピーの炎症が毒出しと言われる理由について詳しく知る>>>
私を含め、浸出液が出る段階を克服してアトピーが治った方も、毒素を出し切ったから浸出液が出なくなったのではなく、炎症がよくなったから浸出液が出なくなったのです。
進出液=体内の毒ではないため、むやみに拭い取ることは避けましょう。
ジュクジュクの液体=感染症は間違いの可能性の方が高い
また、「ジュクジュクしているのは感染症を起こしているからだ」という主張もしばしば見かけることがあります。
そして、消毒すれば治ると考えて抗生剤入りのステロイドを塗ったり、イソジンで消毒しようとしたりする方がいます。
これに関しては、稀にそのような場合もありますが、ほとんどの場合は間違いのことが多いです。確かに、病院などでジュクジュクした液体が出ている部分を調べると、感染症の原因である菌が見つかる場合もあります。ですが、その菌のほとんどは「ただ居る」だけであり、感染症を起こしているとは限りません。
そのため、ジュクジュクしているからといって、感染症だと勘違いして消毒をしすぎてしまうと、薬品かぶれを起こしたり、炎症を悪化させたりしてしまうことがあります。
また、皮膚上には感染の原因となる有害菌の他に、このような有害菌の感染から私たちを守ってくれている有益菌も存在しています。
また、消毒のしすぎによって、菌が消毒液や抗生剤に慣れてしまい、これらの薬品が効かなくなる「耐性菌」を作り出す原因になってしまいます。耐性菌によって感染症を起こした場合は抗生物質が効かなくなるため、より症状が長引くことに繋がります。
ジュクジュクした部分を消毒するのは、あくまで、感染症と診断された場合のみにしましょう 。
ステロイドは極力使用すべきではない
さて、冒頭の方で説明しているように、顔がジュクジュクしてしまうのは、顔で炎症が起こり、血管内の浸出液(リンパ液)が染み出しているからです。そのため、病院ではほぼ確実にステロイド剤を塗るように言われます。ですが、顔のジュクジュクの場合は特にステロイドを使用すべきではありません。
ステロイドには強力な抗炎症作用がありますし、広がってしまった血管の細胞の隙間を閉じる作用(血管収縮作用)もあります。そのため、ステロイドを塗ったその時は皮膚のジュクジュクが治るかもしれません。
ただ、ステロイドの抗炎症作用はあくまで一時的なものであり、その効果もだんだんと弱くなってきます。加えて、ステロイドによる血管収縮作用によって閉じた血管の隙間は反動で再び開こうとする性質があります。そのため、ステロイドの使用を中止したり、ステロイドが効かなくなって、効果が薄れてくると、元の症状以上にぐちゅぐちゅが悪化してしまうことになるのです。
また、顔は皮膚が薄く、ステロイドの吸収率がとても高い部位です。そのため、顔へのステロイドの使用は副作用を起こしやすいため、とてもリスキーです。
顔のジュクジュクは、顔で炎症が重症化している(しつつある)ことを意味しています。そのため、病院に行くとステロイドが処方されます。しかし、説明しているように、特に顔にステロイドを塗ることは危険です。極力ステロイドは使用しないようにしましょう。
どうやったら顔のジュクジュクはよくなるのか
さて、ここまでの説明で顔からジュクジュクの液体が出るのは炎症が重症化しているためだということがわかりました。
ですが、最強の抗炎症剤であるステロイドは副作用や、より症状を悪化させることに繋がるため、極力使わないようにしましょう。
「ステロイドを使用しないで、どうやって治すんだよ」と疑問に思うかもしれません。
ここからは、具体的にどうやってジュクジュクを治して行くのかについて説明していきます。
まずは、ジュクジュクの汁に対処
顔がジュクジュクの状態ですと、ツラくて空気に触れることすらできませんし、浸出液がシーツや衣服について固まりバリバリになってしまいます。
このような時は、ジュクジュクの傷口の部分にガーゼを貼り付け包帯などで固定できるならば包帯で、固定できない場所であればサージカルテープ(包帯などを固定する医療用のテープ)で固定するようにしましょう。
前半の方で浸出液は良質なタンパク質であり、皮膚を保護する役割もあると説明しました。ガーゼを当てて、皮膚上に貼り付ければ、それが皮膚を保護するかさぶたの役割をするので、その下で皮膚の細胞が作られるようになります。
この時、ガーゼは皮膚にくっついて固まると思いますが、無理に剥がすのはよくありません。せっかくガーゼの下で再生しつつある皮膚の細胞を剥ぎ取る事になってしまいます。
お風呂に入ってお湯で濡らした時に無理なく剥がれるようであれば、ゆっくりと剥がし、そうでなければ水分のみをガーゼの上から優しく拭き取り、もう一度固定するようにしましょう。
1週間程度は同じものをつけていても大丈夫です。
食事を見直す
アトピーの炎症の原因が日々の食生活にあることは多いです。そのため、アトピーを改善するには毎日の食生活を見直す事が重要です。
もしも当てはまるものがあったら見直す事で顔のジュクジュクは良くなって行きます。
揚げ物などギトギトの油物を控える
体を炎症体質にしてしまう食品としてサラダ油、菜種油、ごま油などの植物性油があります。
具体的にどのような食品に使われているかというと、お惣菜の揚げ物や、中華料理、ラーメンなど、基本的にギトギトしたものに使用されています。
「え、植物性の油って体に良さそうなイメージがあるんですけど、、」と思われた方もいるかもしれませんね。
しかし、植物性の油に含まれる「オメガ6脂肪酸」という成分は、体内に入ったあと細胞壁に蓄積されて、細胞を炎症を起こしやすい性質に変えてしまうのです。
突然ですが、水と油の関係を想像してみてください。
水と油を混ぜてコップに入れて置くと油が水の上に浮かんで来ますよね。それと同様で、油の悪影響は体の上の方、つまり顔の方に出やすいです。
顔にジュクジュクしているような時は植物性の油を控えるといいでしょう。
肉などの動物性タンパク質を控える
炎症がひどい時には肉類などの動物性タンパク質は控えた方がいいでしょう。
本来動物性のタンパク質は人の体では分解しにくい性質があります。そのため、肉類などのタンパク質を多く取りすぎると、消化が不十分な状態で体内に吸収されてしまう事になります。
すると、これらの未消化のタンパク質は体内では異物と判断され、免疫細胞の攻撃を受けます。その時に免疫細胞から放出される化学物質によって皮膚の組織もダメージを受けてしまうのです。
これがアトピーの炎症になるのです。
顔だけに限らず、ジュクジュクした症状が現れるのは、炎症が重くなっている事をさします。そのため、炎症を起こす元になる動物性タンパク質は避けた方がいいのです。
このように、日々の食事の中にアトピーの原因があることは多いです。もしも当てはまる事があったのなら、是非見直してみてください。
水分の摂取量を見直す
よく、「体内の毒素を洗い流す」と言う発想で水を大量に飲む人がいます。
しかし、この考えは間違いです。
浸出液が出るような状態の時に水分を過剰に摂取すると返って症状が治りにくくなります。
先に、浸出液は良質なタンパク質の塊であると説明しました。このタンパク質が含まれているから、傷口で浸出液が固まります。しかし、水分を過剰に摂取してしまうと、血液中のタンパク質の濃度が薄くなってしまいます。
そのため、浸出液がダラダラと出続けていつまでも止まらず、いつまでも皮膚が再生しないという事になります。
水分は摂取したら摂取しっぱなしではなく、出さなくてはいけません。出す事によって、体内の水分が循環し炎症体質を作っているような老廃物などを洗い流す事ができるのです。
また、水分の摂取については、寝る前に水を飲むことも避けた方がいいでしょう。
ベットに入る4時間ほど前までに水を飲むと、横になった時に「静水圧」という水の重さによる圧力で水分が顔の方に移動します。
お酒などを飲みすぎた次の日顔がむくんだりするのは、このようにお酒の水分が顔に移動するからです。
アトピーの方は、炎症によって血管壁面の細胞の隙間が開いた状態です。そのため、水分が顔に移動することで顔から浸出液が出やすくなってしまいます。
このような状態になると、顔のジュクジュクはとても治りにくくなってしまいます。
ジュクジュクした炎症がある場合は水分の取りすぎには気をつけなければいけません。もしくは摂った分は尿や汗として出して、しっかり循環させるようにしましょう。
腸内環境の改善
最後に腸内環境の改善についてお話します。
アトピー、花粉症などの炎症体質、アレルギー体質を改善させるには腸内環境をよくする事が効果的です。
腸には体の免疫細胞のうち約7割もが集中しており、腸の状態が良ければこれらの細胞は炎症を沈めようという風に働きます。
アトピーは体内で、炎症を起こす免疫細胞が多くなっている状態にあります。 そのため、腸の状態を良くして、炎症を抑える免疫細胞を増やす事によってアトピーの炎症全般に対して改善が期待できるのです。
特に、顔がジュクジュクしている状態はかなり炎症が強い状態です。腸を良くして炎症を沈めるよう努めましょう。
このように、アトピーはその場しのぎの対策だけではなく、体質の改善を含む根本解決が必要不可欠です。そうでなければいつまでたってもアトピーは良くなりません。
まとめ
いかがでしたでしょうか
ここまでの説明で、顔からジュクジュクした汁が出てしまうタイプのアトピーの対処法について理解できたのではないでしょうか。
私自身もそうですが、アトピーで一番辛かった症状は、ジュクジュクの汁が出る症状、しかも顔に出る症状が一番辛かったです。
ステロイドでいったんは軽くなったとしても、一時的なもので、不毛でしかありませんでした。
そうして、本を読んだり、専門家にお会いしたりしながら色々試した結果、効果を実感できたのが上記の内容になります。
みなさんも是非実践してみてください。