アトピーと腸の状態には密接な関係があります。
腸内環境が良ければ、炎症を抑える免疫細胞が活性化されるため、アトピーの症状を鎮めてくれます。 そのため、アトピーの方にとって便秘の状態は避けなくてはいけません。 便秘の状態が続くと、腸内に溜まった便が発生させる有害物質によって、さらに腸の状態が悪化するという悪循環に陥ってしまいます。
腸内環境を整えるには、乳酸菌に代表される「善玉菌」を取ることが有効です。しかし、あまりにも長期間、腸内環境が悪い状態が続いていると、中々善玉菌の力を実感することができません。
そのような時に、行われるのが腸内洗浄という手法です。 このページでは、腸内洗浄について考察していきます。
目次|このページでわかること
腸内洗浄とは
腸内環境が良くない状態が長く続いていると、いざ善玉菌を摂取しようとしても、腸内で善玉菌が優勢になるまで時間がかかることがあります。 そこで行われるのが腸内洗浄という方法です。
腸内洗浄を行うことで、腸の中に溜まった便(宿便)や悪玉菌を洗い流して、腸内環境を強制的にリセットするのです。 具体的な方法は簡単です。まず、肛門から大量の温水を注入します。すると、腸の蠕動運動が促進されて、水と一緒に便が出ます。
腸を刺激して下痢を起こす下剤とは異なり、腸の自然な蠕動運動を促して便を排出するので、腸に優しく、依存性もないのが特徴と言えます。
例えば
腸内環境が悪い状態が長く続いていると善玉菌を摂取しても中々効果を実感できない場合があります。そのような時は、腸内洗浄を行うことで1度腸内環境をリセットすることも1つの手であると言えます。
腸内洗浄を行う上での注意点
さて、ここまで腸内洗浄の内容について説明してきました。しかし、むやみやたらと腸内洗浄を行えば良いというわけではありません。 腸内に温水を注水して洗浄すると、宿便や悪玉菌だけでなく、腸内にいる善玉菌や粘膜まで洗い流してしまうことになります。
腸の粘膜には腸壁を保護して未消化の食べ物を体内に取り入れないようにする働きがあります。また、腸粘膜には「IgA抗体」と呼ばれる、細菌やアレルゲンを体内に入る前に撃退する働きを持つ物質が存在しています。 腸内洗浄を行うと、このような有益なものも一緒に洗い流してしまうのです。すると、細菌やアレルゲンに対して無防備になってしまいます。
これは皮膚の状態にも似ています。私たちの皮膚も、水で洗いすぎると表面を保護している角質や脂質が洗い流されてしまい、皮膚のバリア機能が低下してしまいます。
このように、腸内洗浄は体にとって有害な物質だけでなく、有益な物質まで排出させてしまい、細菌やアレルゲンに対して無防備な状態を作る可能性があります。 腸内洗浄を行う上では、このような状態に対して対策を講じる必要があります。それが「水溶性の食物繊維を多く摂る」「善玉菌を多く摂取する」ということです。
まず、「水溶性の食物繊維を多く摂る」ことから説明していきます。
「水溶性の食物繊維」というとどのようなものかイメージしにくいですが、簡単に言ってしまうと、めかぶなどの海藻や納豆などのネバネバ成分や、葛などとろみのある食品に含まれる成分です。
このようなネバネバの成分は腸の壁面を覆って保護してくれる働きがあるのです。皮膚で言うところの保湿剤のようなものと言えます。例えば、私たちも洗顔などをした後は、保湿剤などで肌のつっぱりなどを防ぐことがあると思います。腸の壁面にもこのような保護が必要なのです。 また、この食物繊維は腸内で善玉菌の餌になり、善玉菌の繁殖を助けるという働きも持っています。
このように、腸内洗浄を行った後には水溶性の食物繊維を意識して摂ることが必要なのです。
次に、「善玉菌を多く摂る」ことです。
腸内洗浄を行った後は善玉菌を棲みつかせるチャンスです。善玉菌を多く含む食べ物や、サプリメントを積極的に摂取することが重要になります。 腸内に善玉菌が棲みつくためにはある程度継続して善玉菌を摂取し続ける必要があります。少なくとも2週間は頑張って善玉菌をとりつづけるようにしてください。
そして、腸内環境を悪化させたり、悪玉菌を増やしてしまう食事は極力避ける方が賢明です。そうでなくては腸内洗浄をした意味がなくなってしまいます。
ここまでの説明のように、腸内洗浄を行う上ではその後のケアが必要になってくるのです。
まとめ
アトピーと腸には密接な関係があります。そのため、乳酸菌などの善玉菌を摂取することはアトピー改善のためにとても有意義であるといえます。 しかし、長期間の便秘など、腸内環境が良くない状態が長く続いていると、悪玉菌の勢力が強すぎて善玉菌の効果をなかなか実感できないこともあります。
このような時に 行われるのが腸内洗浄です。腸内洗浄を行うことで、悪化している腸内環境を一度リセットすることができます。しかし、腸内洗浄を行う上では注意点もあります。それが、腸内洗浄後は腸内が無防備な状態になってしまうということです。
これを防ぐためには、洗浄後の食事が重要になります。これを守って腸内洗浄を行うことで効果的に腸内細菌の入れ替えを行うことができます。