食事に気をつける、肌を保湿する、デトックスを試みるなど、アトピーを治すための様々なアプローチがあります。そして、ここにあげた方法は全て有効です。
しかし、様々な方法を試しているにも関わらず、一向に良くならないという方も多いはずです。
その場合疑って頂きたい原因が一つあります。それが「歯の詰め物」や「銀歯」です。
「え?そんなものがアトピーに関係あるの?」と驚かれる方は多いでしょう。しかし、歯科医で平然と使用されている金属、特に銀にはアトピーを悪化させる毒性があるのです。
このページでは、口の中に潜む意外なアトピーの原因、「銀歯(アマルガム)」について説明していきます。
目次|このページでわかること
銀歯に使われている水銀が溶け出してくる
アマルガムは【amalgam】、混合物、融合したもの、入り混じったものを意味する。アマルガム方は、元来鉱石中に含まれている金や銀を水銀とのアマルガムにして抽出し、その後、水銀を熱して蒸発させ、金や銀を回収する精錬法のこと。通常、歯科で使用するアマルガムは水銀を銀やなどの他の金属と混ぜて作る合金の詰め物のことを言う。
引用:【本当に怖い歯の詰め物】ダイナミックセラーズ出版
私たちが虫歯の治療を受けて詰め物をする際に、いわゆる「銀歯(もしくは銀の詰め物)」を用いられることが多いです。
この銀の素材には「アマルガム」と呼ばれる水銀とその他複数の金属を練り合わせた合金が使用されます。
しかし、このアマルガムに含まれる水銀には、アトピーの原因となる毒性があるのです。そして、それは容易に溶け出して体内に侵入し、蓄積されていきます。
アマルガムに使用されている水銀は口の中で様々な科学反応を起こして「水銀蒸気」という物質に変化し、簡単に溶け出してきます。
その経路には主に2通りあります。
【アマルガムから水銀が溶け出す経路】
- 腐食によって溶け出す
- 口の中に電流が生じることによって溶け出す
腐食によって溶け出す
口の中にある金属は徐々に腐食して溶け出してきます。
それは、口の中で絶えず分泌されている唾液に金属を腐食させる働きがあるからです。そしてこの働きは物を食べるときには約10倍以上になります。
食べ物に含まれる酸や塩にも金属との科学反応を起こす性質があり、また、物を噛む時に生じる摩擦による微妙な熱が金属の科学反応を活性化させるからです。
このように、口の中にある金属は絶えず溶け出してきています。そしてそれが口の粘膜から侵入したり、食事と一緒に腸から侵入したりするのです。
口の中に発生する電流によって溶け出す
口の中に電流が発生すると聞いて「本当に?」と思う方が殆どだと思います。
複数の金属を口の中に入れていた場合に起こる現象であり、電流が生じると水銀が溶け出す作用を増幅させてしまいます。
これは、複数の金属と唾液によるものです。電気を通すことのできる液体(電解液)の中に、2種類の金属が存在する場合、その間には大なり小なり電流が生じます。そしてこの反応を起こす時には、より多くの金属が溶け出すことになるのです。
これは電池の仕組みと同じです。中学生の時の理科の実験を思い出してみてください。薄い塩酸の中に亜鉛の板と、銅の板を浸けると電球が点くと言う実験をしたことはないでしょうか?この時に二つの金属の成分は塩酸の中に溶け出しています。
これと同じことが、口の中で起きています。水銀を含む複数の金属が亜鉛板と銅板の働きをし、唾液が塩酸の働きをするのです。
この時に、最も注意しなくてはいけないのが金歯です。金歯がアマルガムと接触するとこの電気効果が大きく、他の場合に比べて10倍以上溶け出しやすくなってしまいます。
このように、口の中に複数種類の金属があった場合、口の中では電池の様な反応が起こります。その反応によって、水銀が溶け出す作用が加速されて、より多くの水銀が体内に侵入することになるのです。
下記に示す研究結果によると、口の中のアマルガムは10年間で全体の60〜84%が消失すると言うことになります。
【アマルガムの劣化度に関する研究とその主張】
研究者 | 詰め物の劣化度 |
Hamilton et al.(1983) | 10年間で約83%のアマルガムが機能しなくなる |
Gasser(1976,1972)&Radics et al.(1970) | 60%〜84%のアマルガムが消失する |
一部引用:【口の中に潜む恐怖 アマルガム水銀中毒からの生還】ダイナミックセラーズ出版
この消失した分が体内に吸収されていることになります。
ここまでの説明の様に歯に使用されている金属は安定したものではありません。口の中で常に化学反応を起こし、溶け出しているのです。そして、それは確実にアトピーに悪影響を及ぼしています。
銀歯がアトピーにもたらす影響
ここまで、口の中にある銀歯に含まれる水銀は化学反応をおこしやすく、常に溶け出していると言うことを説明してきました。
そして、この溶け出した水銀は体にとって望ましくない作用をもたらし、多くの重篤な疾患をもたらします。その疾患の中にはアトピーも含まれます。水銀にはアトピーを悪化、誘発させる作用があります。
アトピーの原因の多くは私たちの体に備わっている「免疫」と言う仕組みの乱れによるものです。
免疫とは私たちの体の中に侵入してくる異物に対して、有害なものとそうではないものを見分け、有害であれば攻撃して排除しようとする仕組みです。
免疫の仕組みによって異物とそうでないものを見分ける時に、ある「目印」が存在します。その目印があるものは免疫システムによって攻撃されません。そして私たちの細胞にはその目印が存在します。
口の中で溶け出した水銀は、口の粘膜や腸から吸収されて、血液中を巡り、全身の細胞の表面(細胞膜)に吸収されることになります。そして、侵入してきたた水銀は、細胞膜にある免疫システムに提示する目印を書き換えてしまいます。すると、免疫細胞は水銀に侵された細胞を攻撃して排除しようとします。
この現象が、例えば関節の細胞に働けば関節炎になり、皮膚に現れればアトピーの様な皮膚炎として現れるのです。
例えるならば、私たち自身の細胞は、自身の体内に居るための入館証をあらかじめ持っています。しかし、歯の詰め物から溶け出した水銀は、その細胞に接触して入館証を無効にしてしまうのです。そのため体に常駐している警備員によって攻撃されることになるのです。
下記に、ある研究結果による表を記載します。
アメリカで1569名のアマルガム使用者を対象にした研究において、アマルガムを使用した後に患者さんが訴える様になった症状の順位と、アマルガムを取り除いた後の症状の回復率を示したものです。
この研究によると、6位に皮膚炎、11にアレルギーが入っています。そして、アマルガム除去後にはそれらのうち、80%以上が回復しています。
このことからも、アマルガムがアトピーにとって害であることがわかります。
【患者が訴える主な症状とアマルガム除去後の回復率】
順位 | 症状 | 割合 | 水銀除去後の回復率 |
1 | 疲労 | 45% | 86% |
2 | 頭痛 | 34% | 87% |
3 | 視覚障害 | 29% | 63% |
4 | ふさぎこみ | 22% | 91% |
5 | めまい | 22% | 88% |
6 | 皮膚炎 | 20% | 81% |
7 | 注意散漫 | 17% | 73% |
8 | 物忘れ | 17% | 83% |
9 | 舌のざらつき | 17% | 89% |
10 | 胃腸障害 | 15% | 78% |
11 | アレルギー | 14% | 86% |
一部引用:【口の中に潜む恐怖 アマルガム水銀中毒からの生還】ダイナミックセラーズ出版
この様に、口の中で溶け出した水銀は私たちの体の細胞膜に侵入して、免疫細胞に対して敵だと思わせてしまう様にするのです。そのためアトピーの様な症状を引き起こすのです。
銀歯によるアトピーへの影響を取り除くには
さて、ここまでアマルガムがアトピーにもたらす影響について説明してきました。
アマルガムが原因になっている可能性が高い場合、すぐにそれを除去し、そして体内に蓄積した水銀を排出することが必要になります。
これらのことについて説明していきます。
現在使用しているアマルガムを除去する
アマルガムの水銀がアトピーの原因の可能性がある場合は、まず、アマルガムを除去しなければなりません。
しかし、害だからと言って簡単に外せるものでもないのです。アマルガムを取り除くには「時間」と「手順」が必要になってきます。
アマルガムを取り除こうとするときには、どの様に気をつけて施述を行なっても水銀が溶け出します。
そのため、幾つもの対策を施すことになるのですが、それでも水銀が体内に侵入することを100%阻止することはできません。
したがって、ゆっくり時間をかけて取り除く必要があります。アマルガムによる水銀中毒の研究を行なっているスウェーデン歯科水銀中毒患者協会は、6週間かけて1つのアマルガムを取り除くことを推奨しています。
アマルガムを除去する際には、必ず水銀が溶け出し体内に侵入することになります。そのため一度に多くを取り除くのは大変危険です。時間をかけて確実に除去する必要があります。
また、アマルガムの除去には手順も必要であり、その原則は「危険性の高いものから先に取り除く」ことです。
最も危険性の高いものとして、他の金属と触れ合っているものが挙げられます。
水銀と他の金属が触れ合うと、腐食が加速されます。そして最も気をつけなければいけないのが金です。すでに説明している様に、金と接触した水銀は非常に早く溶け出します。そのため、この様なアマルガムから優先的に取り除いていく必要があります。
アマルガムの中には、条件によってとても早く溶け出すものがあります。そのためその様な物から先に取り除いていくのです。
ここまでの説明の様に、口の中のアマルガムはすぐに取り除く必要があるにも関わらず、すぐに除去することは危険です。時間をかけるとともに、害の大きいものから優先的に取り除くという方法が必要です。
体内に蓄積した水銀を排出する
アトピーの原因がアマルガムから漏れ出した水銀にある場合、アマルガムの除去とともに、体内に蓄積した水銀を外に排出することも必要です。
そのために有効な方法が下記の2つです。
【体内の水銀の排出方法】
- 汗とともに排出する
- 腸内環境を整備して便と一緒に排出する
順番に説明していきます。
半身浴でデトックス
体内に溜まった水銀は皮膚から汗とともに排出される特性があります。
そのために有効な手段として半身浴が挙げられます。
私たちのかく汗には大きく2種類あります。それは「運動したときに体温を下げる汗」と「老廃物を排出する汗」です。前者にはあまり体内の物質を排出する作用はありません。そのため後者の汗をたくさんかく必要があります。そのために有効なのが半身浴です。
具体的な入浴方法を説明します。
まず、浴槽に座ったときに、へそあたりの位置までが浸かる様に38℃程度(40℃よりやや低め)の湯をはり、そこに入ります。このときに上半身を濡らしてはいけません。したがって体を洗うのは半身浴が済んでからになります。
湯に浸かり、数分もするとじわりと汗をかき始めます。最低でも20分以上は浸かっていてください。読書や音楽を聴きながら浸かれば長く続けられるでしょう。
感覚しては、湯の熱さで汗をかくのではなく、浴室の湿度によって汗をかく感覚です。そのため換気扇などはつけず、窓も開けない様にしましょう。
半身浴が済んだら、綺麗に体を洗いましょう。
ここまでが半身浴の流れになります。この半身浴を続けることで、確実に水銀を体外に排出することができます。
腸内環境を整備する
水銀の排出経路として、大きなものにもう一つ腸を通って排出される経路があります。
したがって、腸内環境を整備して便通を良くすることが必要です。
腸内環境の良し悪しは主に。腸内に棲む「善玉菌」と「悪玉菌」のバランスによって決まります。前者が優勢であれば便通はよくなり、後者が優勢であれば便秘になることもあります。
したがって、善玉菌の勢力を優勢にすることで、腸内環境を整えることができます。そして、この際のアプローチには2通りの方法があります。「善玉菌を外から補給する方法」と「すでに腸内にいる善玉菌を育てる」ということです。
まず、善玉菌を補給する方法について説明します。
この場合の善玉菌とは、主に乳酸菌のことを指し、特に有効なのが「ビフィズス菌」です。
この時に多くの人が「ヨーグルト」を思い浮かべると思います。しかし、市販のヨーグルトのほとんどは甘いです。つまり、「砂糖」が含まれています。砂糖は腸内で悪玉菌の餌になり悪玉菌を優勢にする元なので、返って逆効果になります。
普段の食事から乳酸菌を補給するには、日本伝統の発酵食品がオススメです。具体例を挙げると、味噌、ぬか漬け、甘酒(砂糖不使用)などです。
また、なかなか食事から摂ることが難しい場合はサプリメントで補給することも有効です。食事であれば量を取ることは難しいですが、サプリメントには食事よりも多くのビフィズス菌を一度に取ることができるというメリットがあります。
体内に蓄積した水銀の多くは、腸を通して便として排出されます。そのため、腸内環境を整え便通をよくすることは水銀の排出にとても有効です。
しかも、腸内環境を整備することはそのままアトピーの改善に直結します。ぜひ、腸内環境の改善に挑戦してみてください。
腸内環境の改善がアトピーの改善に繋がる理由について詳しく知る>>>
アマルガムの代わりに何を詰めるか
さて、口の中からアマルガムを取り除いた後には、何か別のもので補綴することになります。
この時の選択肢は大きく分けて3つあります。
【歯科治療の材料】
- 金属
- セラミック
- プラスチック
この中で最も安全なものは「セラミック」です。セラミックは金属ではなく陶器のことを指します。
セラミックは金属ではないため、体内に溶け出して金属アレルギーの類を引き起こすこともなく生体親和性(生身の体への馴染みやすさ)が高いため歯茎にも負担をかけません。歯科治療の材料としてはセラミックが最も安全な材料であると言えます。
デメリットとしては、セラミックの種類によっては硬度が低く、男性や運動などをする方で強く歯を噛み締める習慣のある人だと欠けてしまうこと、それに、とても高額だということです。
セラミック素材は保険の適用外であるため、患者が全額負担せねばならず、治療費が高額になります。
歯科医院によって異なりますが最も安い「詰め物」で使用するとしても50000円/本ほどしてしまいます。
また、金属であってもものによっては害の無いことがあります。それが「純度の高い金」です。歯科治療で用いられる多くの金は鉛や錫などの化合物です。このような合金は体にとって害になるためアマルガムの代用として不適切です。
また、金を使う場合も条件があります。全てのアマルガムを除去した後に使用するということです。これは先に説明しているように、金とアマルガムが接触すると、水銀の放出が加速されるからです。
このように、歯科治療で歯に詰め物をする場合、最も推奨するのはセラミック素材です。値段は張りますが見た目も良く、金属アレルギーも起こさないため安全です。
高価な歯科治療費を分割できる「デンタルローン」
歯科治療の素材として、セラミックが最も安全であると説明しましたが、現実問題として金額が高すぎて使用できないと考える方は多いと思います。
そのような時に検討すべきなのが「デンタルローン」です。
デンタルローンとは歯科治療のためのローンであり、高額な歯科治療費を分割で支払うことができます。車や家のローンと似たようなものです。
基本的にはローンを取り扱っている会社で組む方法や、銀行のカードローンで組むことができます。
一般的に、クレジットカードよりも金利が低いというメリットがありますが、全ての歯科医院がデンタルローンを利用できる訳では無いことがデメリットです。
【デンタルローンのメリット】
- 金利手数料が一般のクレジットカードと比べて低く設定されていることが多い
- 高額な治療費を分割で支払うことができる
- 歯科医院の窓口で簡単に申し込める
【デンタルローンのデメリット】
- 低く設定されているとはいえ、金利がかかる
- 取り扱っていない歯科医院もある
このように、高額な歯科治療にかかる費用を分割で支払うための「デンタルローン」というものがあります。
金利がかかるとはいえ、デンタルローンを使用してでも安全なセラミックなどの素材を使用することを、強くお勧めします。
安価で危険な材料を使用すれば、今はいいかもしれませんが、将来的にアトピーなどの健康被害を被り、治療にかかる費用を考えれば安いものです。
まとめ
歯科治療に使用されるアマルガムには、口の中で水銀を放出させてアトピーの原因となることが多いです。そして、通常は「銀歯=アトピー」とは連想しません。そのため気がつかずに長期間アトピーに悩まされることになります。
私自身がそうでした。私は幼少期からアトピーを発症し、何をしても改善できないという期間が続きました。しかし、アマルガムのアトピーへの影響を知り、体内に蓄積した水銀を排出する治療を行うことで、完治までは行かなくても、症状が劇的に軽くなりました。
もし、あなた自身、もしくはあなたの母親にアマルガムの使用歴があるのならば、すぐに、それを取り除き、水銀のデトックスをしましょう。それによって、アトピーの症状は劇的に軽くなる可能性があります。
現在アトピーでお悩みの方はこのようには考えられないかもしれませんが、アマルガムでアトピーの症状が出ているのは、実はラッキーであるとも言えるのです。
この場合のアトピーは人体の危険信号であると同時に、水銀の排出作用の一部でもあるのです。つまり、体自身が「歯から水銀が漏れている」と知らせてくれているのです。もし、この警告が無ければ、あなたは水銀の漏出に気づかずに、かつての水俣病のようなさらに重度の水銀被害にあう可能性もあるのです。
繰り返しますが、アマルガムの使用歴があり、アトピーの症状があるのならば、今すぐにでも治療可能な歯科医院を探し出し、アマルガムを除去してください。確実にアトピーは良くなります。